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2023.02.22更新

幼児期の子どもは歩行が安定していなかったり、転んだときにとっさに手をつけないこともあり、歯の外傷を負うケースは少なくありません。

 

外傷を受けたあとの対応で、その後の歯の経過も大きく左右されます。
いざというとき、どのように対処すればよいのでしょうか。

 

【歯が欠けた場合】
小さな欠けであれば、歯科医院で修復することができます。大きく欠けてしまった場合は、歯髄(歯の神経)まで達しているかどうかにより処置が変わってきます。いずれの場合も、受傷から治療までの時間が早ければ早い程、元の形に修復できる可能性は高くなります。歯の破片はティッシュなどに包んだりせず、乾燥しないように牛乳または歯牙保存液、生理食塩水に浸した状態で歯科医院までお持ちください。歯牙保存液や生理食塩水は、薬局などで市販されています。牛乳アレルギーのある場合は、牛乳に浸すことは避け、歯牙保存液もしくは生理食塩水をお使いいただくようお願いいたします。

 

【歯がぐらぐらしている場合】
歯の位置が前後にずれてぐらぐらしていたり(脱臼)、歯が歯ぐきの中にめり込んでしまった場合(埋入)、も、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。生え変わりの状況にもよりますが、歯を元の位置に戻してからワイヤーなどで固定します。固定の期間は状況により異なります。

 

【歯が完全に抜けてしまった場合】
この場合も、受傷から治療までの時間が短ければ、もとに戻せる可能性があります。受診までの時間は30分程度が理想的です。歯の組織が生きているうちであれば、再植(もとの場所に戻す)した場合の予後も良いといわれています。そのためには、抜けた歯の歯根膜(歯の根のまわりについていて、歯と骨をつなぐ役割をもつ膜)を保護することが必要です。なるべく歯の根は触らず、土などで汚れてしまっていたとしても、こするように洗うことは避けましょう。歯が欠けた場合と同様に、乾燥しないよう牛乳または歯牙保存液、生理食塩水に浸した状態で歯科医院までお持ちください。

 

歯の外傷はすぐに処置が必要なケースも多く、もし仮に問題がないように見えても知らず知らずのうちに永久歯に影響を及ぼす可能性もあります。

いずれの場合も、放置せず早めに歯科医院を受診し、適切な処置を受けるようにしましょう。

投稿者: 藤田歯科豊中ステーションクリニック