今回は、学校歯科健診についてご紹介します。
学校保健法の規則に基づき、学校では毎年6月30日までに歯科健診が行われるよう定められています。そろそろ予定されている、というお子さまも多いのではないでしょうか。学校歯科健診では、子どもの成長の様子を把握し、潜在する病気を早期に発見して適切な処置に繋げることを目的としています。
●学校歯科健診におけるチェックポイント
歯科健診では歯だけを診ていると思われがちですが、実は姿勢や顔全体のバランス、口周りの各部位についても歯科医師は観察しています。健診における主な要点は以下の6点です。
①姿勢、顎顔面全体のバランス
②口周囲、口腔内の状態(口唇、口角、舌、舌小帯、口蓋、口腔粘膜)
③歯並び、噛み合わせ、顎関節の状態
④プラーク(歯垢)の付着状況
⑤歯ぐきの状態(発赤、腫れ、出血など)
⑥歯の状態(むし歯の有無や進行状況)
●健診結果表の見方
学校健診から少し経った頃に、健診結果が記されている用紙が各ご家庭に配布されるかと思います。見慣れない記号が並んでいるかもしれませんが、代表的なものを知っておきましょう。
・C
歯の表面が溶かされる病気、つまりむし歯です。英語のCaries(カリエス:むし歯)の略で、「CO」と記載されている場合は「要観察の初期むし歯」を意味します。Cのうしろに1~4の数字が記されている場合は既に進行していて治療が必要なむし歯なので、可及的速やかに歯科医院を受診しましょう。
・G
歯ぐきに炎症が起きる病気、つまり歯肉炎です。「GO」と記載されている場合は、定期的な観察が必要な「初期の歯肉炎」を意味します。歯石の付着も認められる場合は、歯科医院で専門的なクリーニングを受けるなどして早めに検査や治療を受けましょう。
●まとめ
今回は、学校歯科健診についてご紹介しました。学校歯科健診はあくまでも健康であるかどうかをふるい分けるスクリーニングであるため、医学的な確定診断を行うものではありません。もし健診結果に歯科医院を受診するよう記載がある場合は、できるだけ早く検査や治療を受ける必要があります。また、学校歯科健診で異常がみつからなかったとしても、半年に一度程度は歯科医院を受診し、定期検診や歯磨き指導を受けましょう。
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